#17【こまつは〈住みやすい〉まち】小松土産店 瀬川千明さんの声
小松在住の方に、日々の暮らしや小松の魅力についてお話いただく《まちのみんなの声》。第17回は、小松駅にある「小松土産店(こまつとさんてん)」の瀬川千明(せがわ・ちあき)さんに伺いました。
小松土産店とは?
「小松土産店」は、昨年9月にオープンしたKomatsu九(コマツナイン)内の観光案内所&スーベニアショップ(土産物店)。こまつ観光物産ネットワークが運営しており、地元の名物がたくさん並んでいます。(※写真はオープン当時)
開業時の記事はこちら。
店内には、江戸時代、加賀藩御用達品として将軍や大名家に贈られたと伝わる「小松うどん」をはじめ、最中やバームクーヘンなど和洋さまざまなスイーツも。いろいろ味見したい…という気持ちに応えてくれるかのように、バラ売りも多くて嬉しいですね。
そして石川県の伝統工芸のアクセサリーなど、粋でカワイイ雑貨なども。新しい感性にあふれた商品がたくさん並んでいて、見ているだけでワクワクします。
さて、「小松土産店」が普通のお土産屋さんと大きく異なるのは、この観光案内所。コンシェルジュが常駐していて、小松市内の見どころや交通手段を伝えたり、さまざまな情報を発信したりしています。
瀬川千明さんはコンシェルジュリーダーとして、店の立ち上げから携わってきました。(※ここまでの写真は全てオープン時のもの)
コンシェルジュリーダーの瀬川千明さん
ここで瀬川さんの経歴を。福井県出身で、大学進学のため金沢に来ました。4年ほど前、結婚を機に小松へ移住。なんとこの10月に第2子を出産予定ということで、現在産休中だそう。臨月ながら元気いっぱい! 素敵な笑顔で取材に応じてくださいました。
瀬川さんの前職は、新幹線のファーストクラスと言われるグランクラスのアテンダント(客室乗務員)。北陸新幹線開業の翌年に入社し、18席しかない特別車両で食事などの提供や社内設備などの案内をはじめとする業務を行ってきました。
いわば【おもてなしのプロ】。その実績が買われて、言葉遣いや所作、身だしなみのルールづくりなどを任され、事務局と一緒に小松土産店のカラーを作ってきたのです。
すべて一からというのは大変に違いないのですが、開業して慌ただしい中でもスタッフ3人でいろんな企画を考え、「まずはやってみよう精神」で実行していくのがとても楽しかったそう。
きっとそれはチームの一体感とフットワークの軽さがあってこそ。瀬川さんの復帰は育休を経て来年の秋になりそうですが、その頃にはお店もさらに進化しているに違いありません。2年目に突入した小松土産店にも注目です!
瀬川さんの考える小松土産店の強み
瀬川さんに小松土産店の特徴を聞いてみると、観光案内所に物販のお店が併設されていること。全国的に見てもそのような観光案内所は少ないそうですよ。観光に来られた方とのやりとりから販売促進につなげることができたり、地元民の目線で商品を提案できたりと、良い相乗効果が生まれているんだとか。
また、他の駅の土産物店にはないような、地元小松の商品が豊富に置いてあるのも強みの一つ。お客さんも珍しがって購入されることも多々。旅の楽しみって、その土地のものに触れることだったりするので、地元の人たちがいつも購入している「おすすめ商品」がよりどりみどりって嬉しいはず!
小松土産店は市内の事業者さんが直接納品に来るため、商品について直接教えてもらったり、お客さんの反応をフィードバックすることができたりと、きめ細やかな情報交換の場になっています。いわばモックアップ的な、事業者の挑戦にもつながりそうですね。
食品から工芸品、雑貨までさまざまなものが並ぶ店内。中でも、お酒好きの方から日本酒の品揃えを誉められるそうです。おすすめ商品を聞かれたときも、飲み口だけではなく、蔵元の思いや商品開発のストーリーなどもお客さんに説明。
お客さんは、商品をより親近感をもって選ぶことができますし、思いを馳せながら深く味わってもらえるかもしれません。
それもこれも「小松を知ってもらおう」という、スタッフのみなさんの熱意から育まれたこと。ひと・もの・情報をつなぐ交流の拠点として整備された「Komatsu九」ならではのアプローチですね。
さて、出産を間近に控えた瀬川さんに、子育て真っ最中の小松での暮らしについて聞いてみました。
Q. 小松に住んでいかがですか?
田舎と都会の中間くらいの雰囲気で、若い子が好きなお店もあるし、とても便利な街ですね。金沢に住んでいたときは基本的にバスなどの公共交通機関で移動していたんですが、小松に来てからは車で出かけることが多いので、フットワークも軽くなった気がします。
夫は関西出身で転勤族なんですけど、仕事で小松に来てここが気に入ってしまって、小松に家を建ててしまったんです。夫はサッカーをしていて、仕事でもプライベートでも小松の人間関係が心地いいみたいで。
私も仕事で事業者さんとお話する機会が多いんですが、みなさんとても親切ですよね。昨年の航空祭では、たくさん商品を置いて準備していたものの、すぐ売れてしまって困っていたときに「いいよ、今から持って行くよ」って快く対応してくださいました。毎回、人と人との距離の近さや温かさを感じています。
Q. 仕事と子育ての両立は大変ではないですか?
週末は夫が見てくれますが、平日は保育園に通わせています。朝7時から預かってもらえるので、早い勤務のときも助かっています。2歳でまだ手がかかりますが、子育て環境が整っているので核家族でも働きやすいですね。
Q. お子さんとよく行く場所は?
小さいときは児童センター、今はカブッキーランドや児童館、こまつの杜にもよく行きます。小松には公園がたくさんあって、ベビーカーを押しながらお散歩することも多いですね。
仕事柄、情報収集も兼ねて、末広にある小松運動公園にバラが咲いたから見に行こうとか、桜が咲いたら木場潟だとか、子どもと一緒にお出かけしています。
小松駅前のこまつの杜にも小川が流れる「げんき里山」という緑地があって、四季折々の花が咲いているんですよ。街なかでもあちこちで自然に触れられて、とてもいい環境だと思います。
木場潟の中央園地や東園地には遊具がたくさんあって、子どもも喜んで遊んでいます。滑り台がお気に入りです。ハンドメイドのマーケットやキッチンカーが出ていたり、よくイベントもしているので遊ぶ場所には事欠かないです。
Q. お気に入りのお店はありますか?
ピクニックがてら、子どもと2人でパン屋さんでパンを買って、公園に遊びに行っています。小松市民病院前の「ベーカーズロリアン」はお惣菜パンの種類も多くて、子どもも喜んで食べてくれるので、よく行きますね。
Q. 小松の魅力を教えてください。
近くに自然がありながら、買い物や交通に便利で、とても住みやすいところですね。子どもを育てるにしても、遊ぶところはたくさんありますし、大きくなって金沢に通学することになっても電車で通えますし。
小松には新幹線の駅もあるので、多方面にアクセスしやすいことは、家を購入する決め手にもなりました。家族が進学や転勤で県外に行かなければならなくなったとしても、小松をベースにできるという安心感があります。住みやすいので、夫婦共々ずっと小松にいる気満々です。
(取材は2024年9月)