【加賀立国1200年】国府の歴史ロマンを小松で体感しよう!
皆さん、こんにちは。今年が【加賀国が誕生して1200年の節目の年】だと知っていますか?
小松市では、記念の年を祝う「加賀立国1200年祭」が開催されています。この夏にリニューアルしたばかりの「加賀国府ものがたり館」や、記念イベントについてご紹介します!
加賀国の中心地は小松
加賀の国は、平安時代前期の823年に誕生しました。能登の国ができたのは、さらに100年ほど前。つまり、ちょうど1200年前に加賀国が越前国から独立したことで、石川県が〈能登〉・〈加賀〉と呼ばれるようになったのです。
律令時代最後の国である「加賀国」。室町時代まで、金沢を含む〈加賀〉の中心地は、中央直轄の役所である「国府」が置かれた小松にありました。今もその推定地には〈国府〉という地名が残されており、政治、経済、文化、そして白山へ向かうルートがある信仰の要所でした。
全国的にみても多くの古墳が残る小松・能美地域。北陸最大の古墳も発見されており、この地が長く繁栄したことを物語っています。昔から暮らしやすく、たくさんの人たちが集まる場所だったんですね。
加賀国府ものがたり館とは
さて、国府エリアに30年前にオープンした「河田山古墳群史跡資料館」は、加賀国誕生から1200年の節目に合わせ、今年7月にリニューアル。「加賀国府ものがたり館」として生まれ変わりました。
辺り一帯は住宅地ですが、宅地造成でなんと65基もの古墳が発見されました。それらの出土品などを展示し、豊かな土壌に育まれてきた加賀国の歴史ものがたりを感じてもらおうという施設になっています。
◆館内全面リニューアル!
一年かけてリニューアルし、館内の展示スペースは2倍に。入館は無料。弥生時代からの小松・能美の歴史を紐解きます。
◆雅な瓦を発見
さて、こちらは、国家鎮護のために建てられた寺院「国分寺」の屋根を飾っていた瓦です。この形、覚えていますか?
そう。初めにご紹介した「加賀国府ものがたり館」のマークですよね。平安京の瓦職人を招いて、小松市内で作られた瓦なんですって。なんとも雅な雰囲気。
さらに、この瓦をモチーフにしたクラフト体験も。10月からは、瓦の紋様を転写するコースター作りです。体験も無料。来館の記念にいかがですか?
◆見事な石室!
館内の一番の見どころは石室です。33号墳から移築された石室は、飛鳥時代のもので、凝灰岩の巨石を積み上げた「切石積横穴式石室」。石材はもちろん小松産。
ドームにすっぽり覆われていますが、実はこのドーム、仕掛けがあるんです。
石室の両側は本来土に埋まっていた部分。内側の仕上げとは異なり、荒い面を見ることができます。この、そーっと開けて覗く感じが楽しいですよね。
◆古墳公園を整備
外にも学びの場所が。「加賀国府ものがたり館」の正面にある「古墳公園」は遊歩道が整備されていて、古墳時代前期の河田山1号墳、飛鳥時代の9号墳を見ることができます。館内展示だけではなく、古墳や国府エリアの風景など屋外展示もあるのが自慢だそう。
しかも、12号墳は重要な古墳として、この古墳公園に移築復元されたもの。中を覗くと、滑らかに仕上げられた精緻な石室を見ることができます。アーチ型とみられる作りの石室は珍しく、日本でここだけだとか。
造営時期は朝鮮半島にあった百済滅亡の時代と近いため、逃げてきた百済の王の墓ではないかと言う研究者もいるそうで、ロマンあふれる古墳なんです。普段は鍵がかかっていますが、事務所にお願いすれば中に入って見学もできますよ。
車で10分の距離にある「小松市埋蔵文化財センター」には、全国から多くの人たちが訪れています。考古学好きにはたまらない場所。そして地元の誉れを知ることができる場所。加賀立国1200年記念展として、小松の至宝を展示した企画展も開催されています。ぜひ「加賀国府ものがたり館」と併せてお楽しみください。
1200年記念イベントが目白押し
記念すべき節目の年ということで「加賀立国1200年祭」は、この秋に石川県で開催される国民文化祭「いしかわ百万石文化祭2023」に参加。さまざまなイベントが予定されています。
◆全国国府サミットin小松
まずは、10月21日(土)、全国の国府所在地が集い、歴史の学びと交流を推進する「全国国府サミット in 小松」が、小松市團十郎芸術劇場うららで開かれます。
錚々たる講師の方々を迎えて、加賀立国の背景や平安時代の暮らしをテーマとしたフォーラム、仏御前や涌泉寺をテーマにした歴史絵巻芸能や、全国の国府所在地の魅力を知るコーナーなどもありますよ。
時間は13時30分〜17時30分。定員は700名(申込不要、先着順)で、参加は無料です。
◆加賀国府ゆかりの地ウォークラリー
そして、10月29日(日)には「加賀国府ゆかりの地をめぐるウォークラリー」を開催します。コースは2つ!
【国府展望コース】「加賀国府ものがたり館」への約2.6kmのコースで、平成の名水百選に選ばれた「桜生水」の水でたてたお抹茶も楽しめます。
【国府体感コース】府南社跡の石部神社や十九堂山遺跡など4ヶ所のポイントを回る約2.7kmのコース。御朱印付きです。
集合場所は、小松市立国府小学校。参加は無料ですが、エントリーが必要です。午前の部(10時30分〜12時30分)午後の部(12時〜14時30分)ともに定員は200人。先着順ですのでお早めにお申し込みくださいね(一部定員に達したコースもあるそうです)。小学4年生以下のお子さんは保護者の方と一緒に参加となります。
中止になる場合は、前日正午までにサイトに掲載されますが、天候にかかわらず、国府小学校の体育館で開かれる「第41回国府まつり」は予定通り行われますので、ぜひ現地にお越しください。
◆ふるさと小松検定「メモリアルコース」
そしてこちらは、2008年にスタートした「ふるさと小松検定」。今回「メモリアルコース」として「加賀国府BOOK」をテキストにした「加賀国誕生と国府」検定も実施するとのこと。25問20分。11月19日(日)12時から。会場での検定のほか、オンラインでの受検もありますので、みなさん、ぜひチャレンジしてみてください!テキストはサイトからダウンロードできますよ。
古代歴史ロマンを小松で
「加賀国府BOOK」では、国府がどういうものなのか、国府にはどんな風土と立地が望ましいのかなど、丁寧に解説しています。読めば読むほど〈小松ってすごい!〉と実感。
広い平らな大地には、梯川が大きく蛇行しながら流れ、たくさんの潟がありました。水濠地帯として便利な場所だったからこそ、小松の繁栄があったのです。そして、今も豊かな歴史として紡がれ続けています。
国庁、国分寺とともに重要な加賀国総社「府南社」の推定地となっているのが、現在「石部神社」があるエリア。境内は「南野台遺跡」として現在も発掘作業が行われています。神社の隣はミニ公園として整備中。10月22日(日)に完成披露予定です。10月29日(日)開催のウォークラリー【国府体感コース】でも巡ります。
「加賀国のまほろば・小松」。古代から多くの人が訪れ、小松で多くの物語を生み出しました。そんなロマンあふれる歴史に是非思いを馳せてみてください。
(※まほろば=美しい・すばらしい所)