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#19【こまつは〈心地いいまち〉】リマ・ハファエレさんの声

小松在住の方に「小松ってどんなまち?」と尋ねる《まちのみんなの声》シリーズ。19回目にご登場いただくのは、国連大学サステイナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)」のプログラム・アシスタントを務めるLima Raffaele(リマ・ハファエレ)さんです。


金沢の国連関係機関で働くリマ・ハファエレさん

リマ・ハファエレさん

ブラジル、リオデジャネイロ出身のハファさんことLima Raffaele(リマ・ハファエレ)さん。小松市在住で、金沢にある国連大学サステイナビリティ高等研究所 いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)に勤務しています。

ハファさんの職場がある「しいのき迎賓館」

OUIKは、国連大学、石川県、金沢市が共同で設立・運営するというユニークな機関です。国連大学の本部は東京にありますが、しいのき迎賓館にあるOUIKはその研究拠点。石川の里山里海の生物多様性や生態系などについて、研究員たちがフィールドリサーチを行っています。

OUIKのブース

この日は金沢プライドウィーク。ハファさんは、しいのき迎賓館の緑地に設けられたブースで、能登におけるOUIKの活動を紹介していました。

OUIKブースの今年のテーマは、大きな被害を受けた能登への支援2011年に能登の里山里海が先進国で初めて世界農業遺産に認定されており、能登についてまとめた資料がたくさん。

絵本「ごっつぉをつくろう」

これはごっつぉをつくろうという子ども向けの絵本です。ハファさんが一番好きなのは、おばあちゃんと子どもが話をしながら、一緒にワラビやフキなどの山菜を採集するシーン。

絵本「ごっつぉをつくろう」

このように生活の中で自然に文化が受け継がれていく環境こそが、日本の里山里海のイメージかもしれません。絵本や資料はデジタルでも読むことができるので、ぜひ読んでみてくださいね。

ハファさんは、OUIKの活動を広報を通じて世界に発信したり、石川県・金沢市と共同で実施するさまざまな事業に携わったりしていくとのこと。

日本の文化、そして石川県が好きなハファさんだからこそ、細やかで熱いメッセージがどんどん世界中に広がっていきそうです。


日本文化が大好き!国際交流の架け橋に

ブラジル
ブラジルにて/リマ・ハファエレさん提供

小さい頃から日本文化にとても興味があったというハファさん。中学生のときに両親と旅行で来日し「日本に住みたい!」と思ったそう。ブラジルの大学では日本語を専攻。文部科学省の奨学金給付を受け、茨城県の筑波大学に1年間留学しました。

リマ・ハファエレさん
小松市の国際交流員だったハファさん/リマ・ハファエレさん提供

イギリス、イタリア、スペインにも留学経験はありますが、日本で働きたいという気持ちが抑えきれず、外務省などの省庁や自治体国際化協会(CLAIR)などが協力して実施する外国青年招致事業(JETプログラム)で小松市役所へ

5年間、国際交流員としてさまざまな事業に関わりました。翻訳・通訳はもちろんのこと、インバウンドの受入整備や海外への発信、さらには小松の魅力を活かしたブランディングや伝統文化振興なども!

ブラジル映画祭in小松
ブラジル映画祭in小松/リマ・ハファエレさん提供

さらに、ブラジルの文化も知ってほしいと「ブラジル映画祭」を企画。ブラジルと日本の文化の架け橋となるような活動を続けてきました。フォホー、ズークなどブラジリアンダンスにも造詣の深いハファさん。ダンスの先生もしていたそうですよ。

その後は8年間、石川県庁に勤務。東京オリンピック事前合宿や金沢港のクルーズ誘致などに携わりました。

リマ・ハファエレさん

今年の7月からはOUIKに。小松から金沢へは通勤ラッシュの時間帯と重なるため、車で1時間半ほどかかりますが、道中はお子さんとの時間を大切にできているとのこと。お仕事に子育てにと生き生きされている姿が印象的でした!

ワンポイント

そんなハファさんに、小松の印象やおすすめの場所などを聞いてみました。

Q. 小松の第一印象を教えてください。

安宅海岸
小松の安宅海岸/リマ・ハファエレさん提供

小松にはビーチもあるし、私の出身地であるリオデジャネイロと似ていると思いました。豊かな自然や、温かい人たちのおかげで、ホームシックにはなりませんでした。

県庁に勤めていたときは金沢市内に住んでいたんですが、小松が恋しくて、毎週のように通っていました(笑)。小松ほど心地いい場所はなかなか見つからなかったので、小松に住み戻ることにしたんです。

小松は私の第二のふるさと。できれば帰化して、ずっとここに住み続けたいなと思っています。


Q. 小松の文化で一番興味深いものはなんですか?

吉田美統さんの釉裏金彩牡丹唐草文壺
吉田美統さんの釉裏金彩牡丹唐草文壺

九谷焼です。国際交流員の仕事を通して九谷焼に触れて、はじめて焼きものの素晴らしさを知りました。大学では茶道を研究していて論文も書いたんですが、九谷焼を通して日本の美意識がわかるようになったんです。

特に心を奪われたのは、吉田美統さんの釉裏金彩です。金がとても美しくて、母国で見たことがなかった華麗な作品。私の好きな日本文化が小松にはたくさんあります。


Q. 小松でよく行く場所はありますか?

木場潟
木場潟にて/リマ・ハファエレさん提供

5歳の娘がいるので、一緒に遊べるような場所によく出かけます。娘はカブッキーランドが大好き。それから、木の遊具がたくさんある木場潟もお気に入り。子育てにすごくいい環境です。

小松には子どもを連れて行ける場所がたくさんありますよね。都会だと予約して行かなければいけない施設も多いんですが、小松では予約なしでいつでも行けますし、混んでいないのでゆっくり遊べるのも嬉しいです。


Q. 小松に来てよかったことはありますか?

言い切れない程たくさんあります。まず、とっても便利なこと。北陸新幹線が延伸してより利便性が高まりました。それなのに、市内中心部から20分以内で山にも海にも行けるんです。

そして、落ち着いた街で、新鮮な食べ物があって、混んでおらず、ストレスなく生活できること。温泉がたくさんあること。実は、小松に来てから私のライフスタイルがかなり改善したことに気づきました。肌がきれいになったし、体重などからだも整いました。


Q.小松はハファさんにとってどんなまちですか?

〈心地いいまち〉ですね。人・自然・便利さという3つの利点が、小松での暮らしを心地よくしてくれているんだと思います。人とのつながりができて、居心地がいいな、私の居場所はここだなって。落ち着いた雰囲気で子育てがしやすくて、とても住みやすいです。

そして小松は、国籍等を問わず〈多文化共生のまち〉。外国在住の方に向けても、とても頑張っているまちだと自信を持って言えます(笑)。

観光地がたくさんあるところではありませんが、自然、文化、芸術などの資源あふれるまちです。本当に世界最高のまちだと思います。

リマ・ハファエレさん

Lima Raffaele(リマ・ハファエレ)さん
【仕事】国連大学サスティナビリティ高等研究所のプログラムアシスタント
【小松でよく行く場所】カブッキーランド、木場潟、安宅の関
【小松で興味深い文化】九谷焼
【小松の特徴】人がよく、自然が豊かで、生活に便利
【ハファさんにとっての小松とは】心地いいまち、多文化共生のまち

(2024年10月取材)